No.80 (宗教改革@)  : 

「ルターとザクセン選帝侯の関係とはどういうものか?」

教皇レオ10世からの破門、皇帝カール5世による国外追放を受けたルターに、
ザクセン選帝侯が救いの手を差しのべた。侯の城で完成したドイツ語訳の聖書
が出版され、民衆に広まった。このように宗教改革を進めた彼も、ドイツ農民戦
争で指導者ミュンツァーの要求が社会変革に及ぶと、領主とともに弾圧側につ
いた。これは彼の改革の限界を示している。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
ルターによるドイツ語訳聖書が、現在もドイツで親しまれていることに、大きな関
心を持ちながら学習に臨んでいる。

思考・判断:
反皇帝派諸侯のリーダーであるザクセン公が、ヴォルムス帝国議会におけるル
ターの毅然たる態度に感激しただけではなく、「反皇帝派の旗印」として「反カト
リック教会」のルター派を政治的に利用したことについて考察している。

資料活用の技能・表現:
ルターの「九十五カ条の論題」やカトリック側の論客エックとの論争、ヴォルムス
帝国議会での発言等を資料で確認しながら、ルターが徐々にカトリック教会やロ
ーマ教皇を否定するにいたる過程を実感している。

知識・理解:
ルターとザクセン侯との間の「ギブ・アンド・テイク」が、保護を求めるルターと、
「反皇帝派の旗印」として政治的にルター派を利用したザクセン侯フリードリヒの
関係であることについて、基本的な知識を身につけている。